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シリーズ「仏教のひみつ」
第12回 :誰でもできる簡単な坐禅
その2 呼吸を「ととのえる」
〜静かに、ゆったりと呼吸することが「穏やかな心」につながる

シリーズ「仏教のひみつ」
第12回 :誰でもできる簡単な坐禅 
その2 呼吸を「ととのえる」
〜静かに、ゆったりと呼吸することが「穏やかな心」につながる
お寺情報 全国
2020/04/30

今回のテーマは「調息(呼吸を調える)」です。

 

坐禅では、

「調身(身体を調える)」と

「調心(心が調う)」を

繋ぐ重要なカギとして呼吸を位置づけます。

 

「焦った時には、とにかく一度立ち止まって深呼吸してから考えよう」と言われるのと同じように、呼吸を調えることで心を安定させられると考えるからです。

 

呼吸は、私たちの「意識」と「無意識」を繋ぐ存在でもあります。

 

呼吸は意識して速くしたり遅くしたり、深くしたり浅くしたり、また一時的に止めたりすることもできますが、寝ている間など、無意識の状態でも続いています。

 

顕在する意識の中だけで「生きる」ということをとらえるのではなく、無意識との繋がりを含めて「生きる」ことを相対的にとらえるためにも、呼吸と心は切っても切れない関係だと考えるわけです。

 

坐禅における呼吸とは、究極的には「自然な呼吸をあるがままに味わう」ことです。

ただ、慣れないうちは、ゆっくりと、深く、丁寧な呼吸を心がけると良いでしょう。

 

 

 

欠息一息(かんきいっそく)

欠息一息(かんきいっそく)

まずは大きく数回深呼吸をし、心と身体のこわばりをほぐします。この作法を「欠息一息(かんきいっそく)」と呼びます。

 

肝心なのは吐く息を意識すること。

しっかり息を吐き切れば自然に息は入ってきます。

 

深呼吸の後も、鼻から長くゆっくりと吐き、吐ききったところで自然に息を吸い込む、この呼吸を続けてください。

 

坐禅の呼吸はいわゆる「腹式呼吸」ですが、通常の腹式呼吸よりもやや下の方、おヘソの下あたりが収縮するのが特徴です。

イメージとしては、おなかの中に空気がたっぷり入るビーチボールがあり、それを上から押しつぶすように、ゆっくりと息を吐いていきます。

 

すると、下腹がやや膨らむような感覚がわかると思います。

 

坐禅に限らず普段の生活の中でも、気持ちが乱れたり、感情がコントロールできない状態になった時は、一度その場から離れ、一人で静かに深呼吸することをおすすめします。

 

会社や学校など一人になる場所が取りにくい時には、お手洗いの個室などでも良いでしょう。数分呼吸を調えることで、おのずと心は落ち着くものです。

 

 

坐禅の具体的な作法は、曹洞宗が作った次のアニメーション動画をご覧ください。

https://youtu.be/k9n22Qc2S4Q

宇野 全智(うの ぜんち)

昭和48(1973)年、山形県生まれ。山形大学理学部生物学科卒業。曹洞宗の布教師養成機関(現在の曹洞宗総合研究センター教化研修部門)修了後、大本山永平寺で一年間の修行生活を送る。曹洞宗総合研究センター研究員、職員等を経て現在、同センター専任研究員。曹洞宗の教えを分かりやすく伝えるための企画・開発を手掛け、曹洞宗の本部、各支部が主催する僧侶・寺族向け研修会の講師などを務める。また曹洞宗公式サイト「曹洞禅ネット」の企画運営や、一般向け各種講演会、研修会、坐禅会、写経会等の他、曹洞宗「こころの問題」研究プロジェクトリーダーとして、被災地支援活動、自死遺族支援活動にも関わる。

著書「禅と生きる ―生活につながる思想と知恵 20のレッスン 」など