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シリーズ「仏教のひみつ」
第11回:誰でもできる簡単な坐禅 その1
身体を「ととのえる」〜人生を調える第一歩は、身体を調えることからが始まる。

シリーズ「仏教のひみつ」
第11回:誰でもできる簡単な坐禅 その1 
身体を「ととのえる」〜人生を調える第一歩は、身体を調えることからが始まる。
お寺情報 全国
2020/04/25

今回は、坐禅が大切にする「3つの調う」の中の「調身(身体を調える)」方法について説明します。

 

第8回で説明した通り、正しい坐禅の基本は「調身」「調息」「調心」の3つに尽きます。

 

その中でも初めの基本となるのが「調身」、つまり姿勢を調えることです。

坐禅では、姿勢を調えることで自然と呼吸や心も調ってくると考えます。

この順番が重要で、まず初めに調えるものが「身体」、次に調えるのが「呼吸」で、最後に「自ずと心が調う」という状態がやってくると考えます。

 

そしてこれは坐禅に限らず、私たちの日常生活にも同じように言えることです。

 

 

 

「こころ」を調えようとするならまず身体を調えること

「こころ」を調えようとするならまず身体を調えること

気持ちが落ち着かない、感情がコントロールできないなど、「こころ」の状態に悩み、不安を持つことは少なくないと思いますが、「こころ」という形のないものを、「気合」や「意思」など、同じく形のないものでコントロールしようとしても、それは無理な話です。「こころ」を調えようとするならまず、容れ物である身体を調えることから始めようということなのです。

 

「良い姿勢」というと、「背筋を伸ばす」ことが想像されると思いますが、無理をして姿勢を伸ばそうとするのは良くありません。

かえって肩や背中に力が入り、身体に無理がかかって長続きしません。大切なのはまず下半身をしっかりと安定させること、そして上半身はリラックスさせ力みなく伸びた状態を保つことです。

 

下半身を安定させるために、おしりと両ひざの3点が、安定して畳に付くようにします。

その上に、のびやかに背骨を積み上げていきます。

 

「安定した下半身」と「力みない上半身」を感じることができたら、一度肩の力を抜きます。そして手は法界定印。右手の手のひらを上にしておへその下にストンと落とし、その上に左手の手のひらを上にして重ね、親指を軽くつけます 。

 

ここで顎が適度にしまっていること、目線が自然に落ちていることを確認してください。

始めはどうしても力が入ってしまいがちですが、リラックスして坐ることを心がけましょう。

 

 

坐禅の具体的な作法は、曹洞宗が作った次のアニメーション動画をご覧ください。

https://youtu.be/k9n22Qc2S4Q

 

宇野 全智(うの ぜんち)

昭和48(1973)年、山形県生まれ。山形大学理学部生物学科卒業。曹洞宗の布教師養成機関(現在の曹洞宗総合研究センター教化研修部門)修了後、大本山永平寺で一年間の修行生活を送る。曹洞宗総合研究センター研究員、職員等を経て現在、同センター専任研究員。曹洞宗の教えを分かりやすく伝えるための企画・開発を手掛け、曹洞宗の本部、各支部が主催する僧侶・寺族向け研修会の講師などを務める。また曹洞宗公式サイト「曹洞禅ネット」の企画運営や、一般向け各種講演会、研修会、坐禅会、写経会等の他、曹洞宗「こころの問題」研究プロジェクトリーダーとして、被災地支援活動、自死遺族支援活動にも関わる。

著書「禅と生きる ―生活につながる思想と知恵 20のレッスン 」など