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シリーズ「仏教のひみつ」
第8回:坐禅って、厳しいんですか?

シリーズ「仏教のひみつ」
第8回:坐禅って、厳しいんですか?
お寺情報 全国
2020/04/05

前回(第7回)では、私が修行道場で一年間修行して何が変わったのか?そして何が変わらなかったのか?という話から、「一年間の修行を簡単に疑似体験できる方法」として「坐禅」を紹介しました。

 

多くの方は坐禅に「厳しそう」「足が痛くて痺れそう」「眠ったり、少しでも動いたりすると、棒でバシッと叩かれるんでしょ?」など、「痛い」「厳しい」「苦しい」系のイメージを持っているようです。

 

 

 

坐禅とは「ゆったり調う(ととのう)」こと

坐禅とは「ゆったり調う(ととのう)」こと

でも本当の坐禅は、そういうものではありません。

 

今回から、坐禅の目標や方法について紹介していきたいと思いますが、おそらく皆さんの持っているであろう坐禅のイメージとは真逆のもので、正しいイメージは「ゆったり調う」です。

 

「調う」は「ととのう」と読みます。そして坐禅の要は「調身(ちょうしん・身体を調える)」・「調息(ちょうそく・息を調える)」・「調心(ちょうしん・心が調う)」の3つで、坐禅は究極的にはこれに尽きます。

 

ですから、いつどこにいても、この「3つの調う」が出来ていれば、立派な坐禅ということになります。必ずしもお寺に行ったり、坐蒲の上で足を組んだりと、場所や時間を限定しなくても、誰でもが出来るものです。

 

 

 

坐禅の「調う」は、「調和」の「調」

坐禅の「調う」は、「調和」の「調」

では「ととのう」とはどういう状態なのでしょうか?

 

例えばあなたは「姿勢をととのえて下さい」と言われたら、どんな姿勢をイメージするでしょうか?

 

おそらくは、学生時代にやった、「きをつけー」の号令を受けての「ビシッとした直立不動」の姿勢、もしくは「ビシッと座る」姿勢をイメージする人が多いかと思います。

でもそれは坐禅の「ととのう」の姿勢ではありません。

 

坐禅の「調う」は、「整理整頓」の「整」の字ではなく「調和」の「調」の字です。

 

つまり「すべてがバランスよく調和した状態」が、坐禅の目標のイメージです。

そしてこれは、私たちの日常生活に応用できる、人生をムリなく生きる術にも通じるものなのです。

 

 

 

 

宇野 全智(うの ぜんち)

昭和48(1973)年、山形県生まれ。山形大学理学部生物学科卒業。曹洞宗の布教師養成機関(現在の曹洞宗総合研究センター教化研修部門)修了後、大本山永平寺で一年間の修行生活を送る。曹洞宗総合研究センター研究員、職員等を経て現在、同センター専任研究員。曹洞宗の教えを分かりやすく伝えるための企画・開発を手掛け、曹洞宗の本部、各支部が主催する僧侶・寺族向け研修会の講師などを務める。また曹洞宗公式サイト「曹洞禅ネット」の企画運営や、一般向け各種講演会、研修会、坐禅会、写経会等の他、曹洞宗「こころの問題」研究プロジェクトリーダーとして、被災地支援活動、自死遺族支援活動にも関わる。

著書「禅と生きる ―生活につながる思想と知恵 20のレッスン 」など