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シリーズ「あのひとに聞いてみよう」
木村尚徳さん(山形市 月光山 成安寺 住職)

2017/08/17

お寺情報山形県

シリーズ「あのひとに聞いてみよう」
木村尚徳さん(山形市 月光山 成安寺 住職)

「雪国で有名な、山形県山形市にオールシーズン快適にお参りできる「お墓」が出来ました。」

 

ところでみなさん。年末年始に墓参りに行ったことはありますか?

 

初詣などで神社には行きますが、山形では、お墓参りに行く方は少ないとのこと。

東北の地では「雪」という障壁は無視できないのです。

 

家族が集まる年末年始。

北や南の豪雪地域では未だ雪の残る春の彼岸、そして墓参り最盛期のお盆。

四季を通して家族がいつでも快適にお参りできるお墓があればこれまで以上に多くの方が足繁くお参りにいけるのではないか?

 

山形県の内陸地区である山形市の北、嶋地区を抜けて程なく「月光山 成安寺」があります。

その成安寺にて、その思いを最近カタチにしたと噂を聞き、取材に行きました。

室内墓 千眼閣

これが、今年7月にオープンした、積雪の多い山形市でも1年中お参りができる室内型のお墓「千眼閣(せんげんかく)」です。

 

木村住職は、曹洞宗大本山總持寺での修行を経て現在ご実家でもあった成安寺の住職を務められ、大本山總持寺の機関誌に連載を執筆されるなど精力的に活動されています。

 

木村住職に聞いてみました。

 

米本記者:この室内の「お墓」をつくろうと思ったきっかけは何ですか?

 

木村住職:これまで多くの方々からお墓にまつわる悩みをお聞きしてきましたが、その多くはお墓を誰が守ってくれるか?そしてどこへ建てるかという根本的な問題でした。これが決まらずとも暫定的にでもお参りする場所が欲しいという気持ちも少なからずあるようでした。こういったお骨の問題をどう解決したら良いだろうかという思いがきっかけでした。」

 

 

米本記者:最初からこのような室内納骨堂のイメージがあったのですか?

 

 

木村住職:都市部に増えているビル型の搬送式納骨堂など、あらゆる地域の様々な事情を考慮した新しいお墓のかたちを見せていただきました。では山形ではどうあるべきかと考えた結果、「室内墓」そして「預骨」、「永代供養」と三つの側面を持った室内納骨堂のスタイルが見えてきました。

檀家のみなさんとオープンした千眼閣の前で談笑

米本記者:失礼を承知で申し上げますが、山形市のはずれ(スイマセン)で、こんな試みをされることは、ある意味とてもチャレンジングなことと最初は思いました。実際に完成した千眼閣を拝見してとても魅力的だと私自身考えをあらためたのですが(笑)その思いと完成までの苦労をお聞かせ願えませんか?

 

 

木村住職:「千眼閣」をご利用される方は必ずしも檀家になる必要はありません。

この点について、まずは、檀家のみなさんにご説明をさせていただきました。

最初に申し上げたとおり、お墓とお骨の問題を解決するという目的はもちろんですが、田舎の人口が減少していく中で、寺を(財政的に)どのように運営していくかということも大きな問題です。

 

一方で多くの方にお寺にきていただき何かしら教えに触れる機会を持っていただきたいという思いもございます。

そのふたつの課題に対する一つの答えがこの「千眼閣」です。檀家のみなさんには快く受け入れていただきました。

 

御本尊  千手千眼観世音菩薩像

米本記者:御本尊である「千手千眼観音」は、まさしく千眼閣の名と体を表していますね。多くの知識を得て的確なアウトプットをしていく木村さんの在り方にも似てるような気がします。

 

最後にこれからさらにこんなことをしたいというお考えがあればお聞かせ願えますか?

 

 

木村住職:曹洞宗の寺院は世界中にありまして、わたしも一度訪れていますが、アメリカ西海岸に三つの寺院で構成されるサンフランシスコ禅センターがあります。

 

街なかにある寺院、山の上にある温泉付き滞在型寺院、有機栽培農園を営む寺院の3つです。例えば温泉のある寺院では、サマーシーズンには一般観光客へ向けた修行体験ホテルとして解放されいつも予約でいっぱいです。

 

また有機栽培農園の野菜は一部をレストランへ出荷しています。3つの寺院が一体となって、経済活動も取り入れつつ、禅の教えを広めているんです。

檀家制度の無い海外ならではの寺院運営の在り方考え方は、今回の千眼閣を考える下地になっているかも知れません。

 

有機栽培のレストランなども、食を含む日常生活に修行の有る禅宗の教えにも通じ、日本でやってもおもしろいのではないかと思います。最近は坊主バーなんかもありますからね。

 

 

米本記者:今日は良い話をお聞きできました。ありがとうございました。木村さんのこれからの活躍楽しみにしております。

 

 

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ライター:y.Yonemoto